眼瞼下垂手術とは
眼瞼下垂(がんけんかすい)は、上まぶたの筋肉や神経の機能が低下して、目を開けているのにまぶたが垂れ下がってしまう症状のことです。まぶたの下垂が重度になると、視野が狭くなったり、見た目の印象にも影響が出てきます。
眼瞼下垂手術は、上まぶたを切開して下垂の原因となっている筋肉などを調整することで、上まぶたの開きを改善する治療です。
眼瞼下垂の状態によっては保険適用になる場合がありますが、美容クリニックの自由診療では機能の改善と見た目の美しさを同時に追求します。
目次
こんなお悩みに
- まぶたが重く感じる時がある
- いつも眠たそうに見られる
- 目を意識的に大きく開けてもパッチリ開かない
- 左右でまぶたの開きが違う
- 視野が狭くなったように感じる
施術の特徴について
眼瞼下垂手術は、加齢などによってまぶたを開く機能が低下した部位を手術によって整えて、目の開き・視野の狭さを改善し、まぶたを上げる力を改善するための治療です。同時に、余分な皮膚や筋肉の切除によって、まぶたのたるみの解消も望めます。
軽度の眼瞼下垂や皮膚のたるみが原因の場合は、眉下切開や埋没法を行うこともあります。
主な眼瞼下垂の原因
眼瞼下垂の原因は、加齢とともにまぶたを上げ下げする時に働く挙筋腱膜が瞼板(けんばん)からはがれて薄く伸びてしまうことで、まぶたが上がりにくくなることが挙げられます。
その他に、コンタクトレンズの長期使用や、過度のアイメイクによる刺激などによって10代~20代にも起こる症状です。
また、生まれつき挙筋腱膜の働きが弱い先天性眼瞼下垂の場合もあります。
〈各部位と動きのメカニズム〉
眼瞼挙筋(がんけんきょきん)…まぶたを引き上げて維持するために重要な筋肉
挙筋腱膜(きょきんけんまく)…まぶたを引き上げる筋肉についている硬い膜
ミュラー筋(みゅらーきん)…まぶたを引き上げる時に補佐的に働く筋肉
瞼板(けんばん)…まぶたの先端に付いていてまぶたを引き上げる役割を担う板状の軟骨
保険診療と自由診療の違い
保険診療と自由診療では眼瞼下垂の治療に対する方法と目的が異なります。
保険診療
・保険診療の眼瞼下垂治療は、上まぶたが黒目の大部分まで下がっていて、視野が極端に狭まっているなどの視野障害が見られる場合に適用となります。つまり、見た目では無く機能的に問題がある場合にのみ保険適用になります。
自由診療
・美容外科の眼瞼下垂治療は、視野障害などの機能改善だけではなく、見た目のデザイン性や仕上がりの美しさ、ご本人の希望などを重視した複合治療になります。
施術方法
【眼瞼挙筋前転法(がんけんきょきんぜんてんほう)】
眼瞼下垂の代表的な手術に、眼瞼挙筋前転法があります。これは、上まぶたの二重ライン上を切開して、目を開ける筋肉とまぶたをつないでいる部分を短く縫い縮めることで目の開きを良くする方法です。まぶたを引き上げると同時にまぶたが開く力を強くする効果も期待できます。
二重のラインに沿って切開。そこから筋肉や組織を調整します
施術の特徴まとめ
- まぶたを引き上げて、目の開き・視野の改善が期待できる
- まぶたが原因の、肩こり・頭痛・眼球疲労などの改善が期待できる
- 自由診療では見た目の美しさが追求できる
施術の詳細
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施術時間
40〜60分(手術の内容による)
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施術回数
1回(両目同時の場合)
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施術間隔
基本的に1回で終了
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価格
両目:150,000〜800,000円(手術の内容による)
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麻酔
必要
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術後通院
抜糸:約1週間後
診察:1ヶ月後、3ヶ月後 -
ダウンタイムや副作用
内出血は1〜2週間程度で次第に落ち着きますが、まぶたは腫れやすい部位のため、腫れが消失するまでに通常1~3か月ほどかかります。
〇想定される副作用・リスク
赤み腫れ炎症むくみ痛み内出血血腫感染症傷跡色素沈着左右差など -
留意点
・アイメイクは抜糸した1〜2日後から可能です。最初は傷口に負担の少ない軽いメイクから始めてください。
・コンタクトレンズは抜糸後から使用が可能です。装着時に違和感がある場合は、腫れが落ち着くまで使用を控えてください。
・洗顔やシャワー、洗髪は手術翌日から可能です。患部をこすったり濡らしたりしないようにご注意ください。
・入浴は抜糸1〜2日後から可能です。
・サウナや激しい運動や飲酒は、1週間程度控えてください。
・お顔への強いマッサージは1か月程度控えてください。
・まつ毛へのエクステ、まつ毛パーマなどは1か月程度控えてください。
※以下の方は施術を受けることができない可能性があります。
- 妊娠中あるいは授乳中の方
- まぶたに傷や炎症、湿疹のある方
施術の流れ
- カウンセリング
- 医師によるカウンセリングで、気になる部位や症状を相談し、治療方法を決めていきます。当該治療が適応かどうか、ダウンタイム等についてもしっかり聞くことが大切です。
- 手術
- まぶたに注射で局所麻酔を行い、麻酔が効いたところで手術を行います。笑気ガス麻酔や静脈麻酔を併用する美容クリニックもあります。
- 抜糸
- 手術の5〜7日後に抜糸を行います。腫れや赤みが引いて落ち着くまで約3か月程度かかります。
よくあるQA
- 傷跡は残りますか?
- 術後3〜4週間は傷跡が残りますが、最終的に傷跡がほとんど気になりません。その間はメイクで隠すことが可能です。
- 眼瞼下垂は両目同時に起こるものですか?
- 片側だけに起こる場合もあります。また、両目同時でも左右差がある場合があります。
- 眼瞼下垂が保険診療の適用になるのはどの様な場合ですか?
- 日常生活に支障をきたすほど症状が重い場合、重度の眼瞼下垂症状と判断され保険診療が適用となることがあります。