プロテーゼ挿入とは
プロテーゼと呼ばれる人間の軟骨に近い医療素材を使用して、鼻やあご、額などの形を整える手術です。プロテーゼは一人ひとりの顔のバランスや希望に合わせてデザインして作製します。抜去することで、元に戻すことも可能です。
目次
こんなお悩みに
- 低い鼻がコンプレックス
- スッと通った鼻筋にしたい
- あごが短くて顔のバランスが悪い
- 額がのっぺりしている
施術の特徴について
鼻やあご、額など、顔の骨格の形を変えることが可能です。正面・横・斜め、どこから見てもバランス良い形を目指して整えます。
プロテーゼは心臓の人工弁や人工関節にも使用されている医療素材です。感触は人間の軟骨に近く、骨と骨膜の間に挿入する方法で、自然な仕上がりが期待できます。
鼻のプロテーゼ挿入(隆鼻術 りゅうびじゅつ)
クローズ法
鼻の穴(左右どちらか)の中を数ミリ切開して、そこからプロテーゼを挿入します。切開部位は溶ける糸で縫合するので抜糸の必要はなく、傷跡も鼻の穴の中なので外からは分かりません。
オープン法
鼻の外側(鼻柱)を切開してプロテーゼを挿入します。切開する部分は鼻の下の目立ちにくいところなので、正面から見ても傷跡は目立ちにくいです。
あごのプロテーゼ挿入(下顎形成)
口の中を切開して、あごの骨と骨膜の間にプロテーゼを挿入します。切開部位は溶ける糸で縫合するので抜糸の必要はなく、傷跡も口の中なので外からは分かりません。
額のプロテーゼ挿入(額形成)
髪の生え際、もしくは頭髪内を3~4㎝ほど切開して、前頭骨と骨膜の間にプロテーゼを挿入します。傷跡は分かりにくい箇所で、髪の毛でカバーすることも可能です。
ヒアルロン酸注入との違い
鼻・あご・額などの形成にはプロテーゼ挿入の他にヒアルロン酸を注入する方法があります。どちらを受けるかは、それぞれの特徴や変わりたい程度などに合わせて医師と相談して決めると良いでしょう。
プロテーゼ挿入 | ヒアルロン酸注入 | |
---|---|---|
施術時間 | 20〜60分 | 10分 |
ダウンタイム | 2週間~1か月 | 3日~1週間 |
特徴 | ・切開を伴う手術・抜糸が必要な場合がある ・ダウンタイムが長引く場合がある ・抜去して元に戻すことも可能 |
・注射による注入のみ ・数ヶ月〜1年で吸収されるため、維持したい場合は繰り返し受ける必要がある ・溶かして元に戻すことも可能 |
施術の特徴まとめ
- 個々に合わせて作製した医療用プロテーゼを使用
- 外見から傷は分かりにくい
- 顔全体のバランスを整える効果も期待できる
施術の詳細
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施術時間
20分〜60分(手術の内容による)
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施術回数
1回
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施術間隔
基本的に1回で終了
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価格
100,000〜850,000円
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麻酔
必要
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ダウンタイムや副作用
大きな腫れや内出血は2週間程度で次第に落ち着きます。髪の生え際などの傷跡は、3か月ほどで目立たなくなります。
〇想定される副作用・リスク
熱感蕁麻疹腫れ炎症むくみ痛み内出血血腫感染症傷跡発熱頭痛違和感鼻の閉塞感など -
留意点
・シャワー、洗顔、ポイントメイクは当日より可能ですが、傷を濡らさないように注意してください。
・抜糸するまでは、激しい運動、サウナ、飲酒はお控えください。
・プロテーゼが定着するまでの2〜3か月間は、うつぶせ寝など鼻や上あごに荷重がかからないようにしてください。
・お顔への強いマッサージ、激しい運動は1か月程度控えてください。
※以下の方は施術を受けることができない可能性があります。
- 妊娠中あるいは授乳中の方
- 重篤な疾患や感染症がある方
- アトピーや皮膚病など皮膚疾患をお持ちの方
施術の流れ
- カウンセリング
- 医師によるカウンセリングで、気になる部位や症状を相談し、治療方法を決めていきます。
当該治療が適応かどうか、ダウンタイム等についてもしっかり聞くことが大切です。 - 手術
- 施術箇所に注射で局所麻酔を行い、麻酔が効いたところで手術を行います。笑気ガス麻酔や静脈麻酔を併用する場合が多くあります。
- 抜糸
- 手術の5〜7日後に抜糸を行います。溶ける糸で縫合する箇所の抜糸はありません。
よくあるQA
- プロテーゼは長期間体内にあっても大丈夫ですか?
- プロテーゼは医療用のシリコンでできていますので、長期間体内にあっても問題が生じることはほとんどありません。
- すでにヒアルロン酸注入をしていますが、プロテーゼ挿入もできますか?
- ヒアルロン酸注入を受けて2年以上経過している場合はそのままプロテーゼを挿入することもできますが、形良く仕上げるためにヒアルロン酸をいったん溶かすことをおすすめします。
- 鼻やあごのプロテーゼがずれたりしませんか?
- 通常の生活でずれることはほとんどありません。ただし、プロテーゼが骨膜よりも浅い層に入っていたり、形があっていない場合、ずれが発生することがあります。また、骨を折るような強い衝撃を受けた場合などは、本来の骨と同様にずれたり折れたりすることはあります。
- プロテーゼの入れ替えはできますか?
- 他院で行った手術の修正や、形を変えたくなったり、微調整をしたくなった場合は新しいプロテーゼと入れ替えることが可能です。