フェイスリフトとは
フェイスリフトとは、加齢でたるんだ顔の皮膚などを手術で引き上げる方法です。耳周りや髪の生え際など目立たない部位を切開し、たるんだ皮膚や組織を引き上げて固定するため、元に戻りにくいという特徴があります。顔全体のたるみ、ほうれい線への効果が期待できる手術です。
目次
こんなお悩みに
- 顔のたるみが気になる
- ほうれい線、口元のたるみ(マリオネットライン)が深い
- 長期間のリフトアップ効果が欲しい
- 首のしわが気になる
- 他の美容医療では効果がなかった
施術の特徴について
フェイスリフトは、顔全体のたるみを取り除く外科手術です。たるみを取り除くことで、しわの改善や肌のハリ感アップも期待できます。現在多く行われている手術方法は、皮膚の下にあるSMAS(スマス)と呼ばれる筋膜も一緒に引き上げて、余った皮膚を切除したのち固定する方法です。たるみを引き上げる効果が期待できますが、組織を切開するためダウンタイムは長くなります。
いずれの場合も、事前に麻酔を行います。
たるみを改善したい部位によって、いくつかの種類があります。
フェイスリフト | 前額リフト | こめかみリフト | ネックリフト | |
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解消される たるみの箇所 |
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このような 症状に |
フェイスラインのたるみ 頬のたるみ ほうれい線 |
おでこのしわ、たるみ | 目尻のしわ、たるみ 目の下のたるみ |
首のしわ あご下のたるみ |
特長 | こめかみから耳の後ろまで切開して顔全体のリフトアップをする場合と、耳の前のみを切開する場合がある |
髪の生え際、髪の生えている部分を切開して額の皮膚を引き上げる | 髪の生え際、髪の生えている部分を切開して目尻付近を引き上げる | 耳の後ろから襟足の部分を切開して首の皮膚を引き上げる |
施術時間 | 2〜6時間 | 1〜3時間 | 1〜3時間 | 1〜3時間 |
施術方法には、①皮膚のみを引き上げる方法、②皮膚の皮下脂肪の下にある筋膜であるSMASも引き上げ固定する方法、③骨と皮膚をつなぐ靭帯であるリガメントも剥がす方法があります。
- ①皮膚のみを引き上げる方法
表面の皮膚だけを剥がして引き上げます。手術の負担は少ない分、効果は限定的です。 - ②SMASも引き上げる方法
たるみは皮膚だけでなく、その下の皮下脂肪や筋膜であるSMASまで起こっています。皮膚とSMASを同時に引き上げることで、見た目の自然さ・持続性が期待できます。時間が経ってふたたびたるみが出ても、再手術が可能です。 - ③リガメント剥離も行う方法
リガメントとは皮膚を骨に固定する靭帯のことを指します。リガメントは杭のように皮膚を固定しているため、皮膚を動かしやすいようにリガメントを切り離し、再度糸で固定します。重度のたるみに行われることがあります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
皮膚のみを引き上げる方法 | ・皮膚のみを引き上げる ・腫れにくい |
・表情が不自然になる恐れがある ・口元のたるみは引き上げが困難 ・たるみが再発しやすい |
SMASも引き上げる方法 | ・数年単位の効果の持続が期待できる ・仕上がりが自然 ・肌のハリ感アップも期待できる |
・術後1週間程度は、顔の圧迫とテーピングが必要 ・ダウンタイムが長い(大きな腫れや赤みは2週間程度) |
リガメント剥離も行う方法 | ・たるみが強い場合でも効果が望める ・効果の持続性が期待できる |
・手術時間が長い ・神経損傷のリスクがある ・腫れが強く出る ・術後1週間程度は、顔の圧迫とテーピングが必要 ・ダウンタイムが長い(大きな腫れや赤みは3週間程度) |
施術の特徴まとめ
- メスを使って行う外科手術
- たるみ治療の引き上げ効果が期待できる
- 皮下組織やSMASまで引き上げることで、自然な仕上がりで効果が持続しやすい
- 1週間は顔の圧迫とテーピングが必要、ダウンタイムも長い
施術の詳細
- 施術時間1〜6時間
(治療部位により異なる) - 施術回数1回〜2回
- 施術間隔10年程度
- 価格400,000〜2,000,000円
(治療部位や方法により異なる) -
麻酔
必要
-
ダウンタイムや副作用(施術後の状態)
施術後、腫れや内出血が出る場合がありますが、2〜3週間ほどで引いていきます。 髪の生え際や耳の周囲など、縫合した箇所は赤い傷ができますが、2〜3か月で赤みや腫れが落ち着きはじめ、時間の経過とともに目立たなくなります。
〇想定される副作用・リスク
赤み腫れ熱感傷口の炎症感染色素沈着色素沈着頭皮の傷周りの脱毛傷跡顔面神経麻痺皮膚壊死
など -
留意点
抜糸するまでは、激しい運動、サウナ、飲酒はお控えください。
3日後から洗髪できますが、傷を濡らさないように注意してください。
パーマやカラーは1か月ほど行わないでください。
顔に圧迫用のバンテージ(包帯)を1~2週間つけていただく場合があります。
※その人の状態・機材によって回数・価格などが変わります。
※以下の方は施術を受けることができない可能性があります。詳細はクリニックにご確認ください。
- 妊娠中あるいは授乳中の方
- 重篤な疾患や感染症がある方
- アトピーや皮膚病など皮膚疾患をお持ちの方
施術の流れ
- カウンセリング
- 医師によるカウンセリングで、気になる部位や症状を相談し、治療方法を決めていきます。
当該治療が適応かどうか、ダウンタイム等についてもしっかり聞くことが大切です。 - 施術
- 静脈麻酔を使用し、麻酔が効いたら手術を開始します。(静脈麻酔を使用しない場合もあります。)
- アフターケア
- 傷口を保護、圧迫固定します。数日後に診察、1週間程度で抜糸します。なお美容クリニックによってアフターケアの内容は多少異なります。ダーマボンドなどの処理により抜糸が不要な場合もあります。
よくあるQA
- 不自然な表情になったりしませんか?
- 寝転んで自分の顔を鏡で見るとたるみが目立たず若々しく見えます。SMAS層も引き上げるフェイスリフトは、その状態の顔を維持させるような施術方法ですので、不自然になる心配は少ないと言えます。
- フェイスリフトを受けるのに向いている年代はありますか?
- 個人差はありますが、お顔がたるんでくる40代以降の方に効果的です。50~60代になったときに、同世代の方との差が期待できます。
- 手術を受けて、またたるんできたらどうしたらいいですか?
- 手術方法にもよりますが、数年程度の引き上げ効果の持続が期待できます。術後に肌がたるんできた際は、再び手術を受けることも可能です。ただしリガメント剥離を行った場合は、複数回行うことはできません。