美容医療の基礎知識 美容医療の基礎知識

光治療やレーザー、ヒアルロン酸やダーマペンなど、SNSやインターネット・雑誌で最新の美容医療情報を目にする機会が増えたこともあり、チャンスがあれば美容医療にトライしてみたいと考える方が増えているようです。
以前よりも医療技術や機器が進歩し、ダウンタイム(施術を受けたことで発生する肌の赤みやかさぶた、腫れなどが治まるまでの期間)が短くなったり、施術中の痛みが少なくなったことで、今まで以上に美容医療が身近な存在になってきました。
そこで今回は、美容医療の基礎的な部分について解説します。

美容クリニックの院内の写真 美容クリニックの院内の写真

基礎 その1 皮膚科と美容クリニックの違い

保険診療を取り扱う皮膚科では、傷ができたり疾患が生じた部位を「治療する」ことを目的としており、主に湿疹・アトピー・あざ・水虫・巻き爪などの治療がメインです。対して美容クリニックでは気になる部位を治療するというよりも、さらに「よりよい状態にする」ことを目的としている点が皮膚科との大きな違いです。
皮膚科の医療機関としての使命は「悪い箇所を治す」ことですが、美容クリニックは「さらに美しくする」ところまで行うことが使命と言ってもよいかもしれません。そのため美容クリニックでは、ニキビ、あざなどの疾患治療だけでなく、しみ・しわ・毛穴の開き・肌のツヤやハリ感アップなど病気以外の治療も行っています。
このように使命が違うことから、美容クリニックでは公的な保険適用外の施術(自由診療)を行うことが主な役割となります。

たとえばニキビの場合、保険診療の皮膚科では、厚生労働省が規定する抗生剤などの塗り薬や飲み薬を処方して炎症を抑える治療を行います。つまり保険診療の対象となるのは、厚生労働省が定めている病気に対して、定められた治療法を実施する場合です。一方で、美容クリニックなどの自由診療で行っている美肌治療や脱毛などは、保険が適用されません。またニキビ・あざなど厚生労働省が定めている病気の一種であっても、治療法として定められている以外の薬剤やレーザーを使用している場合は自由診療になります。

また、よくある疑問としてエステサロンと美容クリニックの違いについて、簡単にいうとエステサロンでは医療行為を行えないという点です。具体的には、美肌や脱毛など、目的が同じ施術でも、エステサロンでは使用できる機器やパワーに制限があります。これは万が一不具合やトラブル(やけどや皮膚疾患など)が起きた場合、美容クリニックでは医師による治療等の対応が可能ですが、エステサロンでは治療行為が行えないため、ゆるやかな効果の施術になります。短期間での効果を求めるのであれば、美容クリニックということになるでしょう。

診察を受ける女性の写真 診察を受ける女性の写真

基礎 その2 美容皮膚科と美容外科の違い

美容クリニックは、美容皮膚科美容外科に分類されます。美容皮膚科は、しみ・しわ・毛穴の開き・ニキビなどの美肌治療のほか、脱毛・薄毛・ダイエット治療などを行っていることが多く、いずれもメスを使用しない(手術を伴わない)レーザー治療や注射による施術が中心となっています。
対して美容外科は、手術を伴う美容医療で二重整形・鼻の整形・豊胸手術・脂肪吸引なども行っています。縫合や切開が必要とされ、施術によっては所要時間やダウンタイムが長くなる場合が多いと考えておきましょう。
同時に、各クリニックで対策を行っていますが、一般的な外科手術と同様に感染症や麻酔を使うことによるリスクもあることを心に留めておいてください。
また、美容外科では専門的なテクニックが求められる手術や施術もあるため、医師によって得手不得手が分かれる場合があります。たとえば二重整形の評判がいい医師でも脂肪吸引が得意とは限りません。特に外科手術が伴う「整形」の分野については、医師の技術、かつ専門的な能力、さらに症例件数による経験値の差があるので、「誰に手術をしてもらうか」という医師の選択が重要です。

美容クリニックのスタッフと会話する女性の写真 美容クリニックのスタッフと会話する女性の写真

基礎 その3 美容クリニックの選び方

  1. 初回カウンセリングにおける医師・スタッフの対応

    一つ目は、初回カウンセリングにおける医師・スタッフの対応です。施術方法やダウンタイムについて機械的な説明をするだけではなく、悩みや不安、質問に対してもひとつひとつ丁寧に回答し、インフォームドコンセントを重視しているクリニックは、施術時はもちろん、術後のサポートも丁寧な対応をしているケースが多いです。
    また施術への説明だけではなく、価格について事前にわかりやすく伝えてくれるクリニックを選ぶことで、施術後お金に関するトラブルが生じる可能性を回避することができます。

  2. 希望する施術での医師の実績

    二つ目は、希望する施術における医師の実績です。ひとくちに美容医療といっても、その施術内容はしみ・しわ・小顔・二重・バスト・デリケートゾーン・脱毛など多岐にわたります。美容クリニックの医師は、これらの中でも特定分野における施術を得意としていることが多いため、しみ治療を得意とする医師、小顔治療を得意とする医師など、自身の悩みや希望にあった症例が多い医師のもとへカウンセリングに行くことをお勧めします。
    傷や疾患を治すことが主目的の治療ではなく、美しさを実現するための美容医療は、同じ施術であっても一人ひとりの希望やイメージ、さらに肌質・体格などにあわせてカスタマイズが必要なデリケートな治療です。さらに一人ひとりの美的感覚は異なるため、事前のカウンセリングで希望を的確にくみ取って施術に反映するためには、医師のセンスとそれを実現するための医療技術が必要になります。数ある医療行為の中でも繊細な技術とセンスが問われる、難易度が高い医療分野であると言えるでしょう。

  3. 医師との相性

    三つ目は、医師との相性です。「ほんの少しの変化が欲しい」と思っているのに、医師から「あなたのお顔ならもっと大きな変化にしたほうが似合っている」と言われるなど、医師の美的感覚と自身の理想とするイメージが異なっていることもあります。「先生が言っているのだから、そうなのかも?」と安易に妥協してしまうと満足のいく結果にならない場合もありますので、納得がいかないときにははっきりと断る勇気も持っておきましょう。このような仕上がりのイメージに対するミスマッチを避ける意味でも、複数のクリニックでカウンセリングを受けて、仕上がりに対するイメージを的確に理解してくれる医師を選ぶことをお勧めします。

    HOT PEPPER Beauty 美容クリニックではクリニックごとに医師情報を見たり、実際にカウンセリングや施術を受けたカスタマーの口コミを確認することができます。
    自分の悩みを専門としている医師を見つけ、悩みを相談してみてください。

SUMMARY まとめ

美的センスや繊細な技術力が問われる美容医療では、ひとりの医師が全ての分野に精通しているということは少ないと言えます。 また、相談をする中で、人としての相性もあるかもしれません。
美肌、ニキビ、小顔、二重、脱毛、豊胸など、それぞれの美容医療分野に精通した、美容のかかりつけ医を見つけること。もしくは、複合的に自分のお悩みを解消してくれる相性の合う医師を探すことが、理想のイメージへの近道と言えるでしょう。

当記事は皮膚・美容皮膚科の医師監修のもと制作しています。

医師監修のもと作成していますが、万が一間違いがあった場合はこちらからご連絡ください。

具体的な施術のお問合せは各クリニックまでお問い合わせください。

※2023年8月時点の情報です。
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